2005-02-12

パレード委員長に5万円寄付

先日の日誌で報告した通り、東京レズビアン&ゲイパレードが復活です。
松沢さんが「黒子の部屋」で、今年のパレード委員長に5万円だすことにした、と言っています。
僕も、松沢さんにのって5万円だします。
タイトルを「パレード委員長に5万円寄付」と書いてますけど、使い方はどうでもいいです。
ていうか、去年あえて「委員長に」と言ったのは、どうもああいう取り組みで個人にギャラ的なものを払うのが、あるいはもらうことに、ある種の後ろめたさ、みたいなもんを、僕も含めた一定の人にあるんじゃないかと感じてたからです。
あえて、「委員長個人が懐にいれてもらっていいんですよ」といった気分をだしかたかったらです。

さて、ところが、松沢さんは「黒子の部屋」の「お部屋1014/パレード復活」で、情報の出され方に強い不信感を書いてます。

松沢さんが求めてることって、それほどすごいことを求めてるって訳じゃないないと思うんです。
だって、札幌パレード/の情報の公開をみならえってことですから。
(僕が札幌のサイトで探せなかったからかもしれないけど)実行委員会会議の議事録や、会計報告は載せたほうがいいと思うんです。

で、松沢さんの違和感に、僕もある程度納得してしまう部分があります。
なんか知らないところで「重要人物」たちが決めてるって感じがするって感じがしてるってことです。

当人たちには、まったくそんな気はないんだとも思います。
「まだ発表できる段階じゃないんだよね」とか「あんまりオープンにしてしまうと話がまとまらないから」という感じなんじゃないでしょうかね。

出版業界の書誌情報・在庫情報の公開や共有や情報提供に関する研究会のメンバーになってます。
メンバーは業界のソウソウたるメンバーです。
なんで、そんな場にしゃしゃり出ていったかというと、版元ドットコムという出版社の団体で、書誌情報・在庫情報の公開や、業界+読者へのネットを通じた提供に取り組んでいるんでが、ここでそうした情報公開に取り組んでいても、業界全体での取り決めになんの影響もあたえられないし、逆に全く知らないところで「決定」が伝わってくることばかりあって、それなら、積極的に出てって発言しようと考えたからなんです。

で、その研究会の発足会議みたいなところで、ネット上で会議の議事録を公開しよう、と提案したんですけど一蹴されました。
「公開されると、忌憚のない意見を言いづらくなる」「所属してる会社からある程度自由に発言してもらうため」。
たしかそんな理由でした。
みんなどうやら本気なんです。けっして隠そうとしてるわけでもなんでもなさそう。

でも決定的に違うのは、経過が公開されないで、決定だけ発表されたときに「知らないところで決められてる」っていう気分を持たれてしまうことにたいする切迫感とか、危機感とか、なんです。
その後、その研究会では「答申」を公表して、業界紙を通してメールなどでの意見の公募をすることができました。
意見公募の結果は、ほぼまったく0といっていい状態のようです(受付担当者に途中経過を聞いただけですが)。

それでいいんだと思うんですよね。いくら情報公開して意見公募してもそうそう意見を言ってくれる人なんかいません。
でもそれでいいんですよ。気分が違うハズだと僕は思うんです。

パレードの主催の中心にいる人たち(って、ホントはあんまり知らないんだけどね)って、「業界」の特殊性を過大視してるような気がします。
パレードのあとに委員長を罵倒した人がいたって話とか、だれそれはどうだとかって話が「ゲイ業界」にもあるようです。
で、そんなことはどこにもあって、特別に慎重な根回しが絶必な、特別な業界なんてあるのか、って思ってます。
たしかに、それぞれの「業界」に特有なムードがあることはあるんだと思うんですが、しょせんこの日本の社会のムードを基本にした、ちょっとしたアレンジ程度のものでしょう。

さっきの出版業界の話だって「メーカーが商品の情報を出さないなんて……」とその特殊性を言う人がいますけど、出版業界はそれでやってこれたとというだけの話で、それが進んでいるのは、そうしたほうがよかったという事情や、やりやすさがあっただけのことだと思うのです。
で、そんな「特殊性」ばかりを言い立て始めると、変わったことがやりずらくなる。情報をオープンにしようというときなどは、その「特殊性」から難しさばかりが話されるようになるんじゃないでしょうか。
「ゲイ業界」もどうもその特殊性を、必要よりちょっと多く受け止めてるような気がします。

それと情報の公開。
情報は閉じないほうがいいと思います。
情報って、それがあるってことは、誰かは知ってるんです。
公開しないってことは、その誰かだけが知ってるってことです。
情報そのものに対する扱いかたに習熟しないで、接する機会を持たないですごしても、いつまでたっても扱い方を覚えられません。
で、この公開は、よっぽど根性入れないとできないことだと思うんです。
公開に迷ったら、公開する。
公開しなかった間違いより、公開してしまった間違えのほうがいい間違いだ、くらいにしないとできない。

最後です。
竹中労というルポライターが「革命は事務だ」といったそうですが、そうした公開を支えるの最後の一線は「事務」だとつくづく思ってます(どこに書いてあるのか知っている人がいたら教えてください。知人にそう言われて、けっこう竹中労の著作をさがしてるんですけど、どこに書いてあるのかいまだにわかりません)。

このエントリへの反応

  1. 東京パレード、復活おめでとう!
     みなさんご存じの通り、2年間お休みしていた東京のパレードが、今年は開催されることが決定しました。8月中旬頃の週末だそうです。
     1994〜96年は南さん。2000年〜2002年は砂川さ…

  2. 東京パレード、復活おめでとう!
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  3. 東京レズビアン&ゲイパレード開催日決定
    すでにいくつかのサイトで紹介されていますが
    東京レズビアン&ゲイパレードの日程が発表されましたね。

  4. 東京レズビアン&ゲイパレード2005の開催が決定!
    皆さんこんにちは! 今年の東京レズビアン&ゲイパレード2005の開催が決定してい…