浪江虔・八重子 往復書簡

発行:ポット出版
浪江 虔 著, 浪江 八重子 著, 『浪江虔・八重子往復書簡』刊行委員会 編
希望小売価格:2,400円 + 税 (この商品は非再販商品です)
ISBN978-4-7808-0209-2 C0095
四六判 / 352ページ /上製
[2014年08月刊行]

ブックデザイン 山田信也
書籍のご購入は右側から ⇒


内容紹介

第二次世界大戦の戦時下に、
農村図書館を作った浪江虔。
その一年後に治安維持法により
検挙される。
四年近くにおよぶ虔の獄中生活を支え続けた
妻・八重子と交わした手紙の記録。

目次

はじめに 手嶋孝典
第一部 昭和十六年一月〜十七年五月まで
第二部 判決後(昭和十七年六月〜十九年一月まで)
浪江虔・八重子の足跡
あとがき

前書きなど

浪江虔(旧姓板谷、一九一〇・明治四十三〜一九九九・平成十一年)は、治安維持法により一九四〇(昭和十五)年五月十三日に検挙された。その後六月十八日に淀橋署に移されて十二月二十九日に起訴され、東京拘置所に収容された。そこに未決のまま一年六カ月、一九四二(昭和十七)年五月に懲役二年六カ月、未決勾留三百日通算の判決を受けたあと豊多摩刑務所で一年七カ月の間服役した。
浪江八重子(一九一〇・明治四十三〜一九九三・平成五年)は、虔が検挙されたあと生後一歳に満たない長男・浩志と実母・瀬崎ちせと共に、鶴川村大蔵(現町田市大蔵町)で留守宅を守り、虔と共同で始めた私立南多摩農村図書館の業務と助産婦の仕事で、一家を支えた。虔の勾留中に長女・陽子が生まれている。
ここに収録した書簡は、虔の未決勾留から満期釈放までの期間に、虔と八重子の間で取り交わされたもので、一部に虔の両親・兄弟、八重子の兄宛やその人々からのものを含む。……………(「はじめに」より)

著者プロフィール

浪江 虔(ナミエ ケン)

1910(明治43)年札幌生まれ。旧姓は板谷。東京帝大在学中に東京の鶴川村(現・町田市)で農民組合運動に参加し、大学を中退。昭和7年日本共産党に入党。昭和14年、南多摩農村図書館(のちの私立鶴川図書館)を開設したが、翌年、治安維持法によって検挙、投獄される。戦後は、地域に根ざす図書館運動、住民運動につくす。「私立鶴川図書館」は平成元年に閉館、蔵書の大半は町田市立中央図書館に寄贈された。著作に『農村図書館』(河出教育文庫、1948)『図書館運動五十年』(日本図書館協会、1981)など。1999(平成11)年死去。

浪江 八重子(ナミエ ヤエコ)

1910(明治43)年群馬県生まれ。昭和13年に虔と結婚。昭和18年に助産婦を開業し、虔の留守宅の生活を支える。1993(平成5)年死去。私家版歌集に『歌集 山茶花 浪江八重子』(1990)『歌集 山茶花 追補 浪江八重子のあゆみ 続』(1991)。