湯浅 俊彦

電子タグ問題の提起—日本ペンクラブ理事会への湯浅リポート

 最近、電子タグがにわかに脚光を浴びている。出版物と電子タグの関係はいったいどうなっているのか、電子メディア委員会に問題を提起したところ、そのまま湯浅リポートとして理事会に提出されることになった。関心ある人に読んでいただ [...]

インターネット出現以降の法学

 島元健作氏は拙著『デジタル時代の出版メディア』(2000年、ポット出版)について「デジタル社会のなかでの読書環境の変化について無知であるのは、精神の退廃を招くと言い切っている」と書いている。しかし、じつは私の文章は正確 [...]

新しいメディアに対する批判と書物の権威

 書砦・梁山泊店主の島元健作氏が「IT革命」を「バカになった若者」を必要しているように言うのに対して、そういう見方は皮相にすぎるのではないかと私は考えている。なぜなら、まずインターネットやケータイというメディアを仔細に調 [...]

「IT革命=若者のバカ化」説への反論

 さて、いよいよ今回は私の敬愛する島元健作氏(書砦・梁山泊店主)の「反IT文明論」への反論である。
 その前にもう一度、日本出版学会関西部会での島元氏の話に耳を傾けてみよう。
 島元氏は、産業革命によって近代資本主義が成 [...]

移動図書館が輝いていた時代

 前回、「派手なライブラリアン」である尼川洋子氏を取り上げたが、その尼川さんが当日、会場に配布した大阪府立女性総合センター・情報ライブラリーのプロフィールをここで紹介しておこう。
大阪府立女性総合センター・情報ライブラリ [...]

ライブラリアンの底力(そこぢから)

 前回、「公共図書館が大学生の生活の一部になっているようには感じられないのである」と書いた。それは図書館の利用に関するアンケート調査の対象者であった京都学園大学の「メディア論」の受講生たちが、それほど本を読んでいるわけで [...]

公共図書館は大学生には無縁?

 前回は「ベストセラーをめぐる攻防~作家vs図書館」というNHKのテレビ番組を大学の「メディア論」の受講生に見てもらい、設問への回答を分類して示した。
 回答をみると大学生たちはきわめて冷静に図書館の複本問題をとらえ、そ [...]

大学生は図書館をどのように見ているか

 図書館の貸出をめぐる論争が盛んである。2002年11月7日にはNHK総合テレビ「クローズアップ現代」で「ベストセラーをめぐる攻防~作家 vs図書館」という番組が放送された。そこでこの番組を11月30日に京都学園大学人間 [...]

新刊書店のような公共図書館

 最近、私は公共図書館をあまり利用しなくなっている。20年くらい前、明石市に住んでいたときは明石城公園にある自宅から歩いて10分ほどの明石市立図書館を毎週のように利用していたものである。月に2回発行される「これから出る本 [...]

図書館は「無料貸本屋」ではない

 「コンピュータは道具に過ぎない」わけではない。ということを、図書館を例に取りながらここまで述べてきた。コンピュータが図書館に導入されるうちに仕事のしかたが次第にコンピュータに見合ったものに変わっていく。そして、少し月日 [...]

TRCの急展開―公共図書館、学校図書館から大学図書館へ

 前々回、前回と公共図書館、学校図書館と図書館流通センター(TRC)の最近の動きを取り上げてきた。では、ここでTRCのホームページ(http://www.trc.co.jp)の「沿革」から抜粋してその歴史をすこし振り返っ [...]

小・中学校図書室のコンピュータ化と日書連MARC

8月27日、大阪府書店商業組合は組合加盟書店を対象に「日書連マークと学校図書館の電算化」の説明会を開催した。
5 年間の時限立法措置として全国の学校図書館の整備事業に650億円の予算がついたこと。学校図書館のコンピュータ [...]

図書館設立から運営まで民間業者に丸投げ?

POSシステムによる情報システム化の進展は本や読者に対する書店のあり方に影響を与え、出版社や著者の考え方をも変える可能性があると前回書いた。「コンピュータは道具に過ぎない」とはよく使われる言葉だが、はたして本当にそうだろ [...]

デジタル化と劇場化―福嶋聡『劇場としての書店』に寄せて

福嶋聡氏が『劇場としての書店』(新評論)を7月に出版した。すでに『書店人のしごと』(1991年6月)、『書店人のこころ』(1997年2月、いずれも三一書房)という著作において福嶋氏は、プロの書店人がPOS(販売時点情報管 [...]

IT時代における出版メディアの挑戦

 2002年6月8日(土)、中部大学人文学部コミュニケーション学科に沢辺均氏(ポット出版・代表取締役)を招いて「私はこうして出版社を作った―IT時代における出版メディアの挑戦」というテーマで学生向けの講演&トークをおこな [...]

電子図書館は本屋を駆逐するか?

 公共図書館が「電子図書館」化していく時、出版社、取次、書店はいったいどうなるのか。
 このテーマでまず私が思い出すのは1999年1月10日発行の雑誌「人文学と情報処理」の別冊1「特集 電子図書館はどうなる」(勉誠出版) [...]

岩見沢市立図書館の『岩波文庫』配信サービスをどうみるか

 出版業界紙「新文化」2002年5月23日付けの記事によると、電子書籍版の「岩波文庫」が日本で初めて公共図書館で閲覧できるようになるという。電子書籍の配信サービスを行っているイーブックイニシアティブジャパンが6月上旬、北 [...]

出版学会もかなりデジタル時代?

 2002年5月18日(土)、担当している中部大学のメディア論の授業を休講にして(最近の大学は休講すれば補講が原則)、日本出版学会の春季研究発表会・総会に出席してきた。今年の会場は東京都国分寺市にある東京経済大学である。 [...]

大阪府マルチメディア・モデル図書館展開事業とは

 今回は、第14回「書店の危機と変貌する若者のメディア接触」において少し触れた大阪府立図書館のインターネットを利用したレファレンス(e-レファレンス)の話のつづきである。
 このe-レファレンスの話はそもそも「大阪府マル [...]

若者・ケータイ・読書

 書店の経営危機の背景には若者のメディア接触の変貌があることを前回、指摘した。たとえ現在の消費不況が回復したとしても、書店全体の出版物販売額が今後、右肩上がりで上昇していくとは思えないからである。
 ではどのようなメディ [...]