2008-05-23

「あさやけ?」

『朝焼けの図書館員』というタイトル案を見たとき、来年40代に突入する僕は、徹夜明けとか昔懐かしいミラーマンなんかを思い出した。
これからの図書館を担っていくイメージだと、ポット出版の沢辺さんから聞いて、なんだかこそばゆいムズムズした気分もあった。

3年前から、出版社や書店の有志が立ち上げた「[本]のメルマガ」というメールマガジンに、隔月で図書館の話を書いている。
そこでいただく感想や、今までは接点がなかった人との出会いが面白く刺激になっている。不特定多数に向けて実名で書くというのは、やっぱりそれなりにリスクを背負うことだけれど、その勢いで今回も引き受けてみようと思った。

メルマガでは、ある程度考えがまとまったことを書いているつもりだが、ここではもっと曖昧な状態でも、いまの図書館についての考えや、これからのことを、その時々に思っているまま、簡単に書いてみたい。
そこで、また新たな広がりを持つことが出来るなら、それは何よりじゃないかと思う。

僕は今のところ市立図書館の副館長をしている。
5年前に図書館づくりのために呼ばれた図書館屋で、もともと地方公務員ではなくて、企業や大学で働いていた。
だから、自治体の財政や組織を意識することは比較的少なくて、むしろ版元や取次、書店と同じように、人と本とを繋ぐ仕事の一部という感覚の方がずっと強い。

図書館員だからといって、いつも図書館と利用者のことばかり考えているのではなく、本に関わる業界全体を広く意識して、いろいろな人たちとできるだけ意識を共有したり、情報を交換しながら、図書館という箱に固執しないオープンなスタンスでやっていくのが、僕の場合は性にあっている。
これからも図書館に関わり続けるのか、あるいは別の立ち位置から本に関わっていくのかはわからないが、常に軸はそのあたりに置いている。

今のところは、出版流通過程の中で比較的読者に近いこの公共図書館という場から、本の復権を目論み、ない知恵を絞ってウンウン唸っている。

この先どうなるかわからないけれど、ともかく始めてみよう。