月別アーカイブ: 2009年10月

お部屋1972/図書館の中では見えないこと 3・図書館の本はC級品

「都立多摩図書館の廃棄本をせめて古本屋に売れないか」という意見があります。例えばこのブログ

やってみる価値がゼロとは言わないですが、東京都がその提案を蹴ったとしても、批判はできない。長くなりますが、その理由を説明しておくとします。

これも都立図書館に要求する前に、まずは古本屋に聞いてみた方がいいと思います。

「多摩図書館が中央図書館と重複している本を廃棄することになった。地域資料7万册のうちの数千册は他の図書館や学校が引き取ることになっていて、その残りは買ってもらえるだろうか」と。

予想できる古本屋の反応は二種。

まずひとつめ。

「廃棄本は買わない」

ふたつめ。

「見てみないとなんとも言えない」

続けて、こうも言うでしょう。
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資料の保存体制私案

「救いたい!」以降の一連の流れから、まだ様々な反応が続いている。
この情報に関しては、僕自身はあくまで速報的な情報伝達を第一義に、逐次入った情報を流すというスタンスでいた。シンポジウムで聞いたままのニュースとして最初に流した際の強烈なインパクトで、いろいろな反響の輻輳があり、結果的に正確な情報が伝わりにくくなってしまった点は、関係者に申し訳ないと思う。

シンポジウムでのニュースソースである齋藤誠一さんは、インターネットの住人ではないのか、本件に関するネット上での発言は今のところ見ていない。また最初のニュースが流れた以降の情報の詳細についてバイアスのかかっていない情報を一番発信できる立場の方が、よりわかりやすい場で詳しい情報を発信してくれたならばという思いもある。

この機会にいろいろな意見が表に出たことを、個人的には意義のあることと考えているが、そんなことを今さら論じるのは無駄と思う人もいるかもしれないし、初めて考えさせられたという人もいるだろう。
僕自身は公共図書館に来て比較的日の浅い新参者だから、今回は考える機会として非常に良い経験になっている。

様々な意見を匿名で書いたり、他人の発言をそのままブログに貼り付けている人は多いが、直接の反応は非常に少ない。本件について早い段階で、僕が知る限りで実名で発言したのは當山日出夫さん、岡本真さん、松沢呉一さん、そしてやや控え目ながら沢辺均さんといったところだろうか。いずれの見解からも、学ぶべきところは多い。

今回、図書館やアーカイブという話に耳目が集まったこと自体を、悪く捉えるのではなく、建設的にこの流れを利用して、図書館とアーカイブについて議論し、良くしようとしない手はないんじゃないかと僕は思う。
今後も保存問題に関しては自分なりに情報を収集してみたいと思うし、事実を把握して、それをもとにオープンな場で様々な立場の人の考えを交えながら考えていければと思ってもいる。
というのも、この両方を見ていて思ったのは「公共がどこまで担うのか?」という話を整理しないとダメなんじゃないかという気がしたからだ。

まず極端に専門的な本は、基本的にはその分野の専門図書館の領域だということは言えるだろう。
公共として収集すべき資料の幅は、分野で館ごとに分けて収集するなどした図書館もあるにせよ、ある程度決まっている。
しかしこの点も、デバイスに依存したデジタル資料をどう考えるのかといったことや、個性的な特徴のある公共図書館の存在の是非なども含め、再定義しなきゃならない時期にきているのではないかとも思う。
また資料保存に関しても、やはり公共がどこまで担うのかを、はっきり定義して市民に知ってもらう必要があるだろう。

都道府県立図書館は、市区町村立図書館に資料を提供するバックアップ的な意味を持っている。
これをアーカイブ機能と見なすか、そうではなく市町村同士の資料の仲介・斡旋をする立場と考えるか、このあたりで都道府県と市区町村の間の認識のズレというか、役割分担が不明なケースが多いのではないだろうか。

市立図書館にいる僕としては、市区町村の資料紛失・汚破損・除籍の情報を都道府県立が把握し、最後の1冊は必ず都道府県が持つという原則を、早期に確立して欲しいと思う。
だが、県庁所在地の市立図書館の方が、県立図書館よりも人も予算もずっと多いという例はいくらでもあるように、都道府県立側としては、その要求に応じられるリソースがないのもよくわかる。

つまりは、日本には図書館はあってもアーカイブという発想がそもそも幅広く根付いていないのだと思う。
保存は国立国会図書館があればいい、というのは甘えでしかないのではないか。
これに関して以前から時々思っていたのが、都道府県立が共同利用図書館システムを導入し、市区町村立がそこに参加して業務を行うようになれば、全体としてのシステム費は大きく軽減できる。市町村立はそこで浮いた費用の一部をシステム使用料として都道府県立に支払えばいいんじゃないかということだ。

各市区町村のシステム費の総額は、都道府県ごとに集計すれば恐らくどこも年額で数億円に達する。
共同利用システムを提供する代わりに、その7割でも8割でも都道府県が徴収し、年度を越えてプールできれば、結構大きなことが出来るはずだ。

そこまで大規模な話にならないまでも、横断検索システムや資料相互貸借システム、物流ネットワークの維持などに関しては、市区町村が応分の負担をしてもいいと思う。

もっとも、この関係は国立国会図書館との関係についても似たようなことが言えるかもしれない。
ゆにかネットという国会の総合目録ネットワークシステムは存在するが、それを市区町村まで巻き込んだ、リアルタイムで各館の所蔵と連携する完成度の高い総合目録に発展させれば、誰にでも全体像が把握できるようになる。
都道府県が市区町村のアーカイブとなり、そこでカバーしきれないものを最終的には国会がフォローするという仕組みをきちんと確立するためにも、こうした仕組みが必要ではないかと思う。

システムのイメージとしては、NACSIS-CATの公共版に近いものかもしれない。
NACSIS-CATの場合は、各館の判断で所蔵登録しないという選択肢もある。
例えば、私立大学が貴重な資料を学外には公開しないという判断で、あえて所蔵登録しないといったことも可能だ。
それに対し公共版NACSIS-CAT的なものの場合、そういう余地は特に必要ないような気がするのだが、どうだろう?
各館個別の事情まではわからないので、このあたりはよくわからない。
ただ、理想としては全部オープンであって欲しいという気はするが・・・

全部オープンか、一部オープンかはともかくとして、そんな総合目録を実現するためのひとつの方策として、この春にOCLCが発表した「ウェブスケール」という共同利用型のシステムは非常に興味深いのではないかと思う。
ウェブスケールを実際に利用したことなどもちろんないので、実際にどうなのかはわからないが、日本版ウェブスケールを考えるならば、データベースはNDL-OPACを共有する形になって、そこに各館の所蔵レコードがつくイメージになるんじゃないだろうか。
これならば、各図書館が個別にシステムを導入したり、同じ自治体内で学校と公共とが別々にシステムを導入するといった無駄を一気に削ることができる。
これ以上図書館運営コストを上げずに、必要な費用を捻出できるのだから、それを資料購入費に回すなり、共同保存書庫を建てるなりに充当できるだろう。

もちろん既存のシステムベンダーやMARC販売企業の立場もあるので、一足飛びに国会がそこまで対応できるのかというと、それは当然難しいのはわかる。

資料保存問題とは少々離れてしまうが、複数館を請け負った指定管理の企業ならば、システム統合は可能だろうし、直営であっても近隣自治体と手を組んで一本化することは、不可能でもないだろう。
たとえ業務システムのコア部分を共通にしたところで、それとは別の部分で各館の個性を発揮する方法などいくらでもある。
図書館の規模やユーザー層によって、システムへの要求が違うのはわかるが、カスタマイズに膨大な費用のかかる従来のシステムではなく、オープンソースのシステムを導入し、浮いたコストでSEを雇えば、結構現実的な話ではないかという気はする。

問題は、そんな体制を具現化できる「人」の問題が一番大きいのではないだろうか。
権限と見識を兼ね備えた人物の出現を待つだけでは、あまり進展を期待できそうにない。
でも現実を見渡してみると、図書館界やその周辺には、権限はなくとも優れた人材は決して少なくない。
いつかIAAL(大学図書館支援機構)の公共版のようなものが出現する可能性は十分にあるだろう。
もしその役に立つならば、そうした動きにはできる限り協力したいと思う。

ああ、忙しかった

今週も忙しかった。
明日から4連休の予定だったが、11/2、3と出社することにした。

そんなこととはまったく関係なく、「スタッフ全員の椅子に座る計画」を
着々と進めているすず。

きょうも、私が取材に行っている間に
ほとんど座ったことのない和田の椅子攻略に成功したようだ。

山ちゃんは、『ず・ぼん』の15号の入稿にむけて、連日お泊まりです。

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げんきな図書館研修[出版をめぐる新しい動き」レジュメ

今日これから、NPOげんきな図書館の研修で話ます。で、それのレジュメ。

ココから──────────────────────────────
げんきな図書館研修
出版をめぐる新しい動き

2009年10月30日金曜日18時30分〜20時30分
中野区男女共同参画センター 研修室/沢辺均

■00■ 図書館の役割は何だと考えているか
「現代社会は、人が望むかぎりすべての人間の「自由」を対等な権限として解放する社会システムという方向に向かっている」(竹田青嗣)
それぞれの人間の「自由」は衝突することを含むので、それを調整するルールをつくっていくことが重要な課題。
ルールをつくる場合に民主主義というシステムを取りあえず生み出したが、情報の偏在が、その障害になる。
図書館の役割は、情報の可能な限りの公開、情報にアクセスする物理的な手段を提供するもの。
・行政資料の収集と公開(「私たちは知らされていない」という意見)
・情報へのアクセス

■01■ 出版業界の紹介
●01 売上げ 2007年 2,兆102,4億30,000,000円
・書籍販売部数/金額=75億5,19万0,000冊/919,7億00,000,000円(1,217.8円) 雑誌販売部数/金額=2,6億12,69万0,000部/1,兆182,7億30,000,000円(452.7円)
・館外個人貸出総数=65億4,86万3,000冊(都道府県/市区町村/私立20館 計3,111館)
・CVS売上げ(2007年度)=7,兆566,8億88百万円
 外食業売上げ(2007年度)=4,兆036,4億84百万円 (社)日本フランチャイズチェーン協会調査
・講談社=1443億円/981人 (2008年8月現在)(2007年度)/小学館=838名
1位 講談社 1443億100万円/2位 小学館 1413億4400万円/3位 集英社 1389億7800万円/4位 角川GH 720億3300 万円/5位 学習研究社 641億2200万円/6位 日経BP社 533億5900万円/7位 ゼンリン 512億7800万円/8位 新潮社 310 億円/9位 ぎょうせい 307億4100万円/10位 光文社 305億8100万円/11位 文藝春秋 298億3400万円/12位 中央出版  231億3900万円/13位 日本放送出版協会 212億3400万円/14位 新日本法規出版 209億900万円/15位 マガジンハウス 206 億円/16位 東京書籍 205億2600万円/17位 デアゴスティーニ・ジャパン 200億円/18位 メディアファクトリー 198億6000万円/19位 岩波書店 195億円/20位 主婦の友社 192億6800万円
・新刊発行点数=80,595 (1点当たりの売上げ冊数=11,411冊 )
中野区立図書館(29万9千人)=7億09,408千円+資料費1億46,656千円(2008年予算額/日本の図書館2008)
渋谷区立図書館(19万7千人)=4億44,590千円+資料費1億02,617千円(2008年予算額/日本の図書館2008)
●02 出版社/書店など
・「出版年鑑」2008 4,055社(ピーク1997年比−557社 4,613社)
・日本図書コード管理センター (JPO)
・日販データ=出版社等 3,500社、書店等 11,000店、CVS等 22,000店
・年間10点以上の新刊 1000社
・書店の数
 2001年・20,939店/2002年・19,946店/2003年・19,179店/2004年・18,156店/2005年・17,839店/2006年・17,582店/2007年・16,750店
●03 本の値段
・22%  8%  70%(67%〜/歩戻し)
・初版発行部数と定価と総生産高
・70%の内訳(原価30%〜40%→43%〜57%)
・新刊委託・注文・常備・長期・延勘(見計らい)
・編集者のノルマ
・DTPの果たした役割

■02■ 出版をめぐる状況
●Googleの書籍デジタル化
●国立国会図書館のデジタル図書館構想(長尾構想)とジャパンブックサーチとジャパニーズブックダム
●電子書籍/電子雑誌
 kindle/appleタブレット/iPhone
●責任販売
 35ブックス/小学館・講談社
●書店の減少
●出版不況

■03■ げんきな図書館スタッフとしてやってほしいこと
●独自資料の収集
●横芝光図書館の取材
・書評のデータ化
・ミニフェア

以下時間があれば話します────────────────────
■04■ 図書館員が知っておいたほうがイイと思う出版関係のこと
●01 インターネットで本を探すDBの書誌情報はどう作られているか?
・OPAC (本)出版社→取次見本出し→TRC/日販/大阪屋MARC
・国立国会図書館 (本)出版社→取次見本出し→納本→(日販マーク)→
・books.or.jp (データ)(版元ドットコム)→JPO商品基本情報センター(書協DBセンター)→取次/民間企業/books.or.jp
・アマゾン (本)出版社→取次見本出し→大阪屋
・書誌情報+在庫情報の未整備
●02 ISBNを出版社はどうつけているか?
・ ISBN978-4-7808-0118-7
  ISBN4-7808-0118-4
 書籍JANコード 商品識別コードおよびバーコード規格 
 10〜13 – アメリカ合衆国、カナダ(2005年より)
 380 – ブルガリア
 977 – 定期刊行物 (ISSN)
 978〜979 – 書籍用 (ISBN)
・桁数
・Cコード
・出版者記号
00・(株)岩波書店/01・(株)旺文社/02・(株)朝日新聞社/03・(株)偕成社/04・(株)角川書店/05・(株)学習研究社/06・(株)講談社/07・(株)主婦の友社/08・(株)集英社/09・(株)小学館/10・(株)新潮社/11・(株)全音楽譜出版社/12・(株)中央公論新社/13・(財)東京大学出版会/14・(株)日本放送出版協会(NHK出版)/15・(株)早川書房/16・(株)文藝春秋/17・(独立行政)国立印刷局/18 明治図書出版(株)/19・(株)徳間書店
・だれがどうつけているか? どういう誤解
●03 自費出版と商業出版の垣根
・ISBNは識別に使えるか?
・印刷を頼む←→書店ルートに←→著者買上げ←→印税未払←→印税払(印税率)
・図書館への寄贈はあるか?
●04 本の注文はどう伝わって出荷されるのか?
・書店から
 出版社に電話・ファックス
 取次に電話・ファックス・電子データ
・取次
 取次倉庫に在庫/WEBセンターなど(別料金)
・出版社
 出版社から品出し・委託倉庫から品出し・書店への直送(受領書)
・アマゾン
 自社倉庫/取次倉庫(大阪屋・日販)/出版社への注文/在庫情報なし=取り扱い
・TRC
 「週刊新刊全点案内」ストックブックに載る本と載らない本

■05■ 図書館が直面しているいくつかの課題
●01 委託化・指定管理者はなぜ進んでいるのか
○正規職員の既得権
家計 給料=家賃(固定費)+食費など(変動可能な費用)+貯金(利益)
・給料の大きな変動に対応するには、固定費をできる限り変動費にしたい。
図書館 税収=人件費+事業費
・インフレ時には、賃上げを押さえれば実質の賃下げができた
・平時には、アルバイト・派遣・契約などの割合を増やす/契約解除することで、固定費を下げる
○(図書館の)サービス向上と効率化の主体は、人の問題
○サービス向上と効率化は、官だからできることでも、民だからできることでもなく、できる人ができる。
 できる人を作ることで、できる。
●02 書誌情報・OPACと出版業界、書店との協力
 「該当データが見つかりませんでした。」
●03 国立国会図書館の JAPAN/MARCでなぜ公共図書館のマークは間に合わないのか?
 国会図書館+出版業界で書誌情報を共同で整備したい。

●プロフィール
ポット出版(法人名 株式会社スタジオ・ポット)
・1989年 1冊目発行(径書房発売)/2007年 12冊発行/既刊約120冊
・デザイン・編集制作請負業(編集3人・デザイナー3人)/出版(編集3人・営業1人)/社長
 兄弟会社 スタジオ・ポットSD←版元ドットコムのシステム開発から、出版社を中心としたサイト開発
・保管・品出しは倉庫に委託/VAN加盟・倉庫でデータ受発信
・有限責任事業組合(LLP)版元ドットコム組合員
1956年生まれ
1986年まで地方公務員
渋谷区役所/組合活動/保健所予防課、国民年金課、土木公園
デザイン事務所勤務をへて、1988年10月スタジオ・ポット開業(デザイン)
1989年11月 「外国人が公務員になったっていいじゃないかという本」をポット出版として発行(発売は径書房)
1994年7月「ず・ぼん 図書館とメディアの本 1」を発行(新泉社発売)
2000年版元ドットコム
2006年NPOげんきな図書館(東中野・江古田図書館を受託)副理事長

いただいたご本『二人で生きる技術』

978_4_7808_0135_4.jpgポット出版から献本が送られてきて、はて、今度はどなたの本かなあと封を開けると、大塚隆史著『二人で生きる技術』! そういえばずいぶん前に出るとおっしゃっていたご著作がまだ出版されていなかったが、最終的にポット出版で上梓されることになったのかと驚いた。

ポットサイトの紹介によると、「「長い付き合いを応援する」新宿のゲイバー「タックスノット」。同店の店主である大塚隆史が自らの経験を元に、同性愛者に限らず、パートナーとの関係に悩むすべての人に説く、二人が一緒にいるために必要な「技術」。」

目次からも察するに大塚さんのライフワークとも言えるパートナーシップが主題になっている。ゲイのパートナーシップ作りの経験から、その技術を異性愛その他の人々にも役立ててもらおうという趣旨らしい。ジェンダー規範が壊れたり、結婚制度が上手く機能しなくなっている昨今、大塚さんの経験から得た哲学は、普遍的なメッセージになるだろう。

ところで、ポットサイトにこの本の目次がアップされているのだけど、その最後の「著者プロフィール」という文字の後に、「アラサー真っ只中、30歳独身男子です。18歳のときから、10年以上ひとり暮らしです。洗濯、炊事、掃除など、生活するために必要なことは、一応、ひと通り全部出来ます。ずっとひとりでもまあいいか、というのが今のところの本音です。」という文章が続いていて、あれ? 大塚さん、年齢をごまかして売るつもりなのかしらん?と思ったら、編集者のコメントであった。まぎらわしい。

ともあれ、偉大な先達の久々の本、秋の夜長にじっくり読ませていただこう!

ず・ぼん15号発行と犬がガンになった話

いよいよ『ず・ぼん15号』を11月に発行します。
年内に出せてよかった。
先頃オープンした米澤嘉博記念図書館の森川嘉一郎氏インタビュー、
インターネットを使ったサービスで話題になっている千葉県の横芝光町立図書館インタビュー
オープンタイプの図書館管理システムをつくったProject Next-Lメンバーの座談会……
なかなか面白い内容になったです。
近々、サイトにも新刊情報を載せますので、クリックしてみてください。

以下、雑談。

飼っている犬が乳がんになった。調べてもらったら、もうリンパにも転移していて、
おそらく全身にまわっているだろうとのこと。
抗がん剤治療ではなく、ホルモン治療をすることにした。
毎日2回薬を飲ませる。薬一粒500円…。
人間の乳がん治療では行われるものらしく、しかし犬に効くかどうかは全く未知数。
でも何もしないよりはいいかもしれないので、踏み切った。
半年は元気でいてくれるかなあ、1年くらいかなあ。
ガン宣告を受けたときは、意外にもガーン!とした。
ふだんからいつかは死ぬんだから、とわりと平気のような気がしていたんだけれども
いざ病院で言われると、言葉を失った。人間と変わらない。
「留守ばっかりのわが家に来て、なっちゃん(←犬の名前)、幸せだったのかなあ」なんて
考えたりして。
もう一匹の犬は弱虫のベタ甘え男で、なっちゃんが大好きなもんだから、
こいつが一人で残されたら淋しくて死んじゃうんじゃないかと思うと、
残される犬のために、またもう一匹飼わねばと思ったり。

ところでなっちゃん、今のところ、元気はつらつオロナミンC。

お部屋1971/【必読】多摩図書館廃棄本についての正確な情報

昨日、都立中央図書館に電話で問い合わせてみました。「まっ、そんなことだろう」と思っていた通りの結果が得られました。

何を聞きたかったのかと言えば、「この件についての問い合わせがあったのか」ということです。

私がずっと気になっていたのは、当初から情報があやふやだったことです。多くの方々がブログやTwitterで、この件に触れているのですが、コピーばっかりで情報に具体性がなく、ことによると、誰も都立図書館に確認をとっていないのではないか。

私が見た範囲で、唯一の例外は酒井大史都議会議員に問い合わせをした方です。素晴らしい。

それまでは複本、つまり都立中央図書館と重複している本かどうかさえ調べる人がおらず、情報が暴走。この「図書館学徒未満」の10月20日のエントリーによって、やっとすべてが複本であることが判明し、これで終わればよかったわけですが、なおも納得しない方々がいて、そこでもなおあやふやな情報を元に話を進めようとしています。
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お部屋1970/図書館の中では見えないこと 2・こんな図書館があったら

前回具体的に見たように、マイクロフィルムや復刻を除けば、『エロスの原風景』に出ているものの、おそらく9割は、国会図書館にもない。でもなあ、『きぬふるい』は、名古屋市立図書館に6冊もあるのかあ。悔しいなあ。

そのマイクロフィルムの元になったカストリ雑誌の現物はアメリカにあるわけで、いかに日本の図書館が貧困かよくわかります。ブツがないこと自体も貧困ですが、これを「おかしい」と気づけない頭が貧困なのです。その貧困さこそが、今回の多摩図書館の廃棄本を無理矢理保存しようとする動きにつながってます。

「こういうものをしっかり保存しなければいけないのではないか」という意見は一向に盛り上がらず、そのくせ、どこの図書館にもゴロゴロとあって、なおかつたいして利用されていない地域資料については大騒ぎをする。騒ぐところが間違ってます。

何度も繰り返しておくと、もちろん、地域資料は重要なのですよ。図書館では、ほとんどそれしか私は利用していないくらいで、私にとっても重要。

しかし、おそらく地域資料なんてほとんど利用したことのないような人たちが今回過剰に騒いでいるのではないか。棚を想像できず、「その資料がどの程度の意味でどう重要か」が理解できていないから騒ぐ。

過剰に騒ぐのでなく、「廃棄する本の全タイトルを出して欲しい」「改めて、都内の図書館の所蔵品と、どの程度重複しているのかを調べて欲しい」と要求するくらいはいいとして。そんなことをしても無駄だと思いますが、それで納得するなら、そうすればよい。
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スクリーンショットのファイル名を一括変換

年内発行予定の新刊の作業で、YouTubeの動画を大量にキャプチャ(フルサイズ動画再生→メニュー+シフト+3キーで、スクリーンショット)しています。

キャプチャされた画像は自動的に「ピクチャ 1」「ピクチャ 2」「ピクチャ 3」……とデスクトップに保存され、
動画が一本終了するたびにフォルダにまとめて整理。

ただ、次の新刊には何本も動画の画像を入れるので、動画ごとに合い番をふり直さなくてはいけない(そうしないと、ファイル名がかぶるので同じフォルダに入れて一括変換とかができない)。

mac用の、ファイル名一括変換ソフトはないかと検索したら、すぐ出てきました。Name Manglerというソフトです。使い方は、このブログを参照しました。

これで「動画001」の「ピクチャ 1」「ピクチャ 2」を一発で「001-001」「001-002」……と変換できます。

次に、スクリーンショットの保存先をデスクトップではなく、指定したフォルダに保存できるようにしたいのだけれど、これは分からなかったです。要調査です。

10年くらい前までは、動画の静止画を誌面に使う際は、カメラに三脚をセットして、ビデオを再生するテレビ画面を複写していたそうです。便利になりました。

お部屋1969/図書館の中では見えないこと 1・図書館はコンビニである【訂正・追記あり】

もう図書館の話は飽きました。今回からまとめに入って、もともと論じたかった書影の話に移行します。このまとめがまた長いんですが、都立多摩図書館の廃棄問題に限らず、私は図書館の何を問題だと考えているのかについて書いておくとします。今まで何度も書いていることですが、読んでいない人もいましょう。

本に対する興味はあっても、私は図書館に強い興味があるわけではないです。本当は強い興味があるのですが、現状の図書館には興味を抱きようがないとでも言った方がいいかな。したがって、図書館のことを書くと批判的なトーンにならざるを得ないところがあります。

だからといって、図書館の役割を否定する意図はないですよ。図書館を敵視する一部のバカな出版社や書き手とは違いますので、誤解なきよう。

「図書館のせいで本が売れなくなる」なんて言っている人たちは正気なんですかね。今現在はともあれ、子どもの頃に図書館に世話になったことがないのかな。

ひとつの図書館に何冊も本が入るような人たちは、十分印税を得ているわけで、どこまで金に貪欲なんかと。たぶんこういう人たちと、本のデジタル化に反対する人たち、著作権保護期間の延長をもくろむ人たちとは重なっていそうです。全部、バカみたい。

私の本はどんどん図書館に入れてもらいたい。「1933/エロの排除」で、「マツワル」の購読者が、都内の二カ所の図書館に『エロスの原風景』のリクエストを出したところ、どちらも「お断り」だったとの話を書きました。

早稲田大学の図書館にリクエストした段階ではすでに予定しているとの回答があったとの話もコメントされていましたが、ウンコの写真が出ている本なんざ、その辺の公立図書館には一冊も入らないのだろうと思ってました。

ところが、その購読者がまた教えてくれたところによると、入れてくれた図書館もけっこうあります。
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