2008-08-12

イラク戦争ってそういうことだったのか会議(1)

これを読んだ方の中でご存知の方にはお知恵を拝借したく存じます。

イラク戦争の開戦前後に、アメリカ合州国で当時与党だったブッシュ政権のトップや閣僚が戦争を正当化するために公にした演説や声明、記者会見を、文字・動画問わず、記録したものをお持ちの方はいらっしゃいませんか?米国本国の地上波に流れてきた当時の映像を記録・保存している人々は教えて欲しいです。感謝の意を申し上げることぐらいしかできませんが、それでもよろしいのでしたら、御連絡いただければ幸甚です。

さて、これから、イラク戦争について、色々と回顧いたします。

『国連安全保障理事会:ドミニク=ドウィルパン外務相による演説』(http://www.ambafrance-jp.org/article.php3?id_article=339)の邦訳版を御覧くださいませ。仏語は仏外務省ホームページで探せば、見つかるといわれています。見つからなければ、私も探すのに加勢します。

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国連安全保障理事会:ヴィルパン外相の演説

ニューヨーク、2003年2月14日

議長、
事務総長、
閣僚の皆様、
各国大使の皆様、

ブリックス委員長とエル・バラダイ事務局長、イラクでの査察継続に関する情報に御礼申し上げる。また、フランスはその任務遂行を信頼し全面的な支援を惜しまない旨、改めて申し上げる。

フランスはイラク危機発生当初より、安保理の一体性を重視している。この一体性は今日、二つの主要な要素にかかっている。

我々の共通の目的はイラクの完全な武装解除である。この件に関しては、成果を挙げる義務がある。我々の共通の約束に疑念を差し挟んではいけない。我々は集団でこの重大な責任を全うする。そこには下心や意図の勘ぐりなどがあってはならない。はっきりさせておこう。我々の中に、サダム・フセインとイラク体制に対し弱腰になっている者などいない。
安保理決議1441を全会一致で採択することにより、我々は、フランスが提唱した二段階方式に合意した。それは査察による武装解除の道であり、この戦略が失敗に終わった場合は、武力行使を含むあらゆる選択肢を安保理が検討する、というものである。したがって第二の決議が正当化されるのは、査察失敗に終わった場合のみである。
現在提示されている問題は簡潔だ。査察による武装解除はもはや行き詰まっていると我々は認識しているのか。それとも、安保理決議1441により与えられた査察という可能性はまだ完遂されていないと考えているのか。

この質問への解答として、フランスには以下の二つの確信がある。

第一に、査察という選択肢は完了しておらず、イラクの武装解除に効果的な回答をもたらす、ということ。
第二に、武力行使は人類、地域、国際社会の安定に与える影響があまりにも大きく、最後の手段としてしか考えられない、ということ。
では、先ほどのブリックス委員長とエル・バラダイ事務局長の報告から我々は何を学んだだろう。査察は結果を出していると学んだのだ。我々は当然今以上の結果を求めており、それを引き出すためにイラク政府に対し共に圧力を掛け続ける。しかし査察は結果をもたらすのである。

1月27日の安保理での報告で、UNMOVIC委員長とIAEA事務局長は、進捗が期待される分野を正確に指摘していた。そのうちの複数の点において、顕著な進展が見られた。

生物化学兵器分野では、イラクは査察団に新たな書類を提出した。また、ブリックス委員長の要請により、元軍事設備計画責任者が率いる調査委員会の設立が発表された。
弾道ミサイルの分野でも、イラクの情報提供により査察は進展した。我々はアルサムード・ミサイルの能力を正確に把握している。現在は、ブリックス委員長の見解に基づき、無認可計画の放棄に着手する段階にある。
核兵器の分野では、1月27日にエル・バラダイ事務局長により言及された重要な点についての有益な情報がIAEAに提供された。すなわち、ウラン濃縮用のマグネットの入手、および、ウランを提供したと推定される国とイラクとの接触リストである。
これこそ、禁止計画の正確な把握とその廃棄により、査察の効果を確保するという、安保理決議1441の論理の中核である。

イラクの完全かつ全面的な協力こそが、査察の成功の前提であるということは我々全員が承知している。フランスはこれを要請し続けてきた。以下の通り前進が見られ始めた。

イラクは偵察機による領土上空の飛行に同意した。
査察団が、イラク当局者の立ち会いなしでイラク人科学者から聴取することを認めた。
査察団の以前の要請に基づき、大量破壊兵器計画に関わるあらゆる行動を禁止する法案が採択手続き中である。
イラクは1991年に軍事計画の廃棄に参加した専門家の詳細なリストを提出しなければならない。
フランスは当然、これらの約束が守られることを待ち望んでいる。さらに、イラクがより一層協力するよう、我々は強く圧力をかけ続けていく。

これらの進展は我々に、査察という道は効果的であり得るという確信を持たせてくれる。しかしまだ残されている仕事の膨大さから目をそらしてはならない。解明すべき疑問点や進めるべき確認作業は数多く、破壊すべき施設や設備もまだ残っているだろう。

そのために、我々は査察団に成功のためのすべての機会を与えなければならない。
2月5日、私は安保理にいくつかの提案をした。その後、その内容をブリックス委員長とエル・バラダイ事務局長に手交した資料に記載し、安保理理事国に伝えた。
提案を貫く精神とは次のようなことである。これは実務的かつ具体的、即時実行に移せ、査察の効率向上を目的とする提案である。安保理決議1441に則し、したがって新たな決議の採択を要しない。ブリックス委員長、エル・バラダイ事務局長の努力を支援するものである。当然ながら、査察の効率向上のために採用したい提案は、彼ら自身が最も良く知っている。彼らは報告の中で、我々に有用かつ実務的なコメントをして下さった。
既に発表した通り、フランスは両氏のために、ミラージュ4偵察機を始めとする追加的な手段を提供する用意がある。

批判があるのは承知の上だ。
査察はまったく効果をあげないと考える人もいる。しかし再度申し上げるが、査察は安保理決議1441の基盤そのものであり、結果を出しているのだ。不十分かもしれないが、査察は行われている。
査察の継続は、武力行使を妨げるための時間稼ぎだと考える人もいる。そこで当然イラクに与えられる時間の問題が浮上する。これが議論の核心だ。我々の信頼性と責任感が問題となる。解決する勇気を持とう。
選択肢は二つある。
一見、戦争は最も手っ取り早い選択肢のように思われる。しかし忘れてならないのは、勝利しても、その後は平和の構築が必要だということだ。現実から目をそらしてはならない。イラクの一体性を維持しつつ、力の侵攻によって深刻な打撃を被った国・地域に持続的な安定を回復させるのは、長い道のりで、困難を極めるだろう。
これに対し、査察という代替案がある。査察によってこそイラクの効率的 かつ平和的な武装解除に向けて日々前進することができるのだ。結局のとこ ろこの選択肢が最も確実かつ効果があるのではないか。
現時点では、戦争という道が査察という道よりも短いとは誰も主張できない。また、戦争が終わった暁には、より安全で公正かつ安定した世界に到達できるとは誰も主張できない。戦争は常に失敗に終わった場合の制裁手段なのである。数多くの問題を抱える現在、これが我々にとって唯一の解決策だろうか。国連の査察団が成功裡に任務を完遂できるよう、時間を与えよう。その一方で警戒をとかず、ブリックス委員長とエル・バラダイ事務局長に、理事会での定期的な報告を要請しよう。フランスは3月14日に査察評価のための閣僚級会合の開催を提案する。その時点で、どのような進展があり、どのような課題が残ったか評価ができる。

以上に鑑み、現時点では武力行使は正当化できない。戦争には代替案がある。それが査察を通じたイラクの武装解除である。早まった武力行使は深刻な結果をもたらすリスクがある。

我々の行動の正当性は、国際社会の結束にかかっている。早まった軍事介入はこの結束に疑いをもたらし、ひいては介入の正当性、いずれはその効果をも失わせる。
かかる軍事介入は、すでに傷つき脆弱なこの地域の安定に、計り知れない深刻な結果をもたらすだろう。不正義に対する感情を増幅し、緊張を深刻化させ、さらなる紛争の引き金になりかねない。
我々は皆、テロリズムの情け容赦ない撲滅を優先事項としている。必要なのは断固たる決意である。9月11日の惨劇以来、テロ撲滅は我々の国民に対する一義的な責任だ。テロという恐ろしい災禍により何度も大打撃を被ってきたフランスは、この闘いに一丸となって挑んでいる。これは人類全体の問題であり、共に闘っていかねばならない。これこそ、フランスのイニシアティブにより1月20日に行われた安保理会合の意義である。
10日前、アメリカのパウエル国務長官はアルカイダとイラクの間にあるとされる関係について言及された。我々の同盟国との調査や情報交換によると、現時点でこのような結びつきは立証されていない。しかしながら、現在異論が唱えられている軍事行動の有用性を、この点を考慮して判断すべきである。軍事介入こそ、テロを醸成する社会、文化、民族の間の対立を悪化させかねない。

査察団が査察を続行不可能と判断した場合には、武力行使の必要性は排除しないとフランスは常に言ってきた。この場合、安保理は態度を明らかにし、理事国はその責任を全うすることとなる。このような仮説のもと、2月4日の討議の場で私が主張し、回答を出さねばならない問題をここに改めて示そう。

即時の武力行使を正当化するような脅威の性質と規模とはどのようなものか
かかる軍事介入がはらむ多大なリスクをいかに確実に克服するか
いずれにせよ、このような事態に至れば、国際社会の一体性こそが効果を保証する。同様に、国連こそが、何が起ころうとも、構築すべき平和の中心的存在であり続ける。

議長、
いつ、どのようにして我々が戦争という道に進むのかと恐れている人たちに、私は申し上げたい。安保理は何事についても、そしていかなる時も、性急に、無理解のうちに、疑念や恐怖に屈したりはしない、と。

国連という殿堂において、我々は理想と良心の守護者である。我々の担う重い責任と多大な名誉が、我々に平和的な武装解除を優先させるはずである。

これが、戦争と占領と蛮行を経験したヨーロッパという「古い大陸」の「古い国」、フランスのメッセージだ。アメリカや他の国々からやってきた解放の戦士たちの恩を忘れない国のメッセージだ。フランスは常に歴史を見据え、人類のために立ち上がってきた。自らの価値観に忠実に、国際社会全体と、果敢に行動を起こしていきたいと願っている。我々は共により良い世界を作っていくことができると確信している。

ご静聴に感謝申し上げる。

(以上、仮訳。フランス語版のみを正本とする。)

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2008-08-10

亀井静香首相待望論

8月4日の夕刻、16:30頃でありましょうか、亀井静香・衆院議員ご本人と四谷警察署の隣のビル9Fにある亀井静香・私設事務所で面会することができまして、25分もの間、お話を聴く機会を得られました。15:15に来るように指定され、10分前に事務所にツレと行きましたら、1時間以上、お待ち申し上げておりましたら、「いやあ、本当にお待たせしてしまい、悪かった」と亀井先生が謝られるので、「亀井先生にお会いし、お話を聞けることだけでもたいへんに貴重な体験ですし、歓喜しております」という気持ちを伝えるべく発言しました。

死刑制度について憲法論的アプローチから考えてきた私のようなものですら、亀井先生から死刑制度の廃止という自身の強い信念・信条について懇切丁寧な解説を受けると、実に分かりやすく心地よさすら覚えて理解できしました。親鸞やキリスト教の考えに接している私には亀井先生の説法は親鸞の悪人正機説やイエス=キリストの原罪論と重なって聞こえてしまいました。

「亀井先生は悟りの境地に達しているとしかいいようがありませんね」

と御本人に思ったことをそのまま発声して、お伝えしました。

亀井先生から別れ際に握手されて激励を受けましたので、亀井静香首相待望論が実現する日を待っています……と私は応答しました。亀井首相が実現する日は実に恋しいし愛おしい。でも、その日は来ない、実現しないと御本人が何よりも御承知されています。願望が夢に終わる現実を私はうら哀しく覚えます。とても切なく寂しく、もの哀しく思えます。

……こんな気持ちに共感を覚える人がもしもいらっしゃれば、私はありったけの感謝を申し上げます。御丁寧にも御連絡があったときには、必ず御返信申し上げる意志を表明いたします。

いつあるのか知りませんが、次期衆議院選挙で政権交代が起きて、民主党・国民新党・社民党・新党日本・平沼新党が連立政権をつくって、菅直人・衆院議員が首相に就任するのが、現実的な話として私が了解し最良な選択だと思っている構想です。さらに理想をいえば、亀井先生が副首相として法務相に就き、死刑制度を廃止して欲しい。その未来において日本は確実に改革されているでしょう。とりあえず、政権交代せよ!国民新党と民主党による連立政権が誕生しますように……と願っています。

亀井先生は「大丈夫、次の選挙で必ず政権交代するから」と自信をもって断言されました。

夢のように思えるそんな日が来ることを心の底から願ってやみません。

信じられる日本へ、さあ。

及川健二   拝